ReviCo レビコ >レビュー投稿数300倍でECも実店舗も買い物体験が向上!~東京シャツのオムニチャネルを促進するレビューの活用術とは~
加藤氏:当社は、国内120店舗と自社EC、モールなど複数の販売チャネルをもつビジネスワイシャツ専門のSPA企業です。
メインターゲット層は40~50代で売上構成比は男性向け70%、女性向け30%です。
実際に購入している顧客の割合は、男性50%、女性50%となり、実店舗・EC共に女性による代理購入が多いのが特徴です。
ECには2004年に参入しました。現在の売上全体に占めるECの割合は20%で、EC売上のうち自社ECが約6割を占めるまで成長しました。
近年は、実店舗をもつメリットを活かすため、OMOやオムニチャネルに注力しています。
コロナ禍になったことで、自社ECを強化していこうという想いが一層強くなりました。
加藤氏:サイトリニューアル前は、カートシステムに備わっているレビュー機能を利用しておりましたが、お客様からのレビュー投稿はほとんどありませんでした。
せっかく投稿されたレビューも商品詳細ページの目立たない箇所にしか掲載されておらず、レビューの収集・活用は以前からの課題でした。
2022年11月にECサイトのリニューアルが決まり、それに伴ってレビューも見直すことになりました。
加藤氏:アパレルは販売サイクルが短いアイテムもありますが、やはり購入率を上げるには、商品詳細ページのリッチ化が重要で、そのためのコンテンツの一つにレビューが必要と考えました。
アパレルをネットで購入するには、まずサイズが合うかどうかが重要です。
当社が主力としているメンズワイシャツは、1商品に約10サイズの展開があります。
首回りや袖丈などのサイズがわからなければ、襟型や素材、柄などを決める次のステップに進むことができないため、実店舗の接客では、まずお客様にご自身のサイズを把握してもらうことがファーストアプローチになりますが、ECサイトではプロモデルの着用画像を掲載することが多く、リアルな着用イメージが伝わりづらくなっていました。
実際にお客様から「現実的ではないサイズ感は違和感がある」という声も頂くことがあったため、レビューによって自分と体型が近い方のコメントを参考にして頂くことで、購入のハードルを下げたいと考えていました。
加藤氏:カートシステムにecbeingを利用していたため、ecbeingが開発したレビューツールであるReviCoは、カートシステムとの親和性が高く、導入のしやすさや導入後の改修対応などの相性が良いと判断し、レビューツールに関しては、ReviCo一択でした。
ReviCo:ありがとうございます。ReviCoはecbeingだけでなくさまざまなカートシステムに導入ができますが、確かにecbeingとの親和性の部分では、サポート面の連携も相性の良いポイントかもしれません。
加藤氏:他にReviCoを導入した背景として、サイトリニューアルを機に、お客様アンケートで「普段何をファッションの参考にしているか?」と質問したところ、1位の「雑誌」に続き、「ショップスタッフ」が2位であることがわかりました。
ワイシャツというアイテムでも、スタッフを参考にしているということは想定外で、メイン顧客の40~50代は、体型の変化もあり、よりリアルな情報を求めていると感じました。
その為、お客様のレビューだけでなく、全国に在籍している販売スタッフによるスタイリングや接客トークをレビュー化し、サイトへ掲載するというのはレビュー活用の一つのポイントでした。
ReviCoには「スタッフレビュー」を収集・掲載できる機能があるため、導入の決め手になりました。
加藤氏:ReviCo導入前は、お客様の自主的な投稿に任せるいわゆる待ちの状態でしたが、ReviCo導入により、購入から1週間後、未投稿者にはさらに1週間後の計2回、自動でレビュー依頼メールが配信できるようになりました。
レビュー依頼メールからReviCoが実施するプレゼントキャンペーンに応募できるようになっているため、レビュー数の増加は、定期的な自動メールとインセンティブによる効果が大きいと感じています。
ReviCo導入前と比較して、お客様のレビュー数は約300倍に増加し、投稿率(購入数に対するレビュー投稿数の割合)は平均で約8%で、月間数百件ものレビューが集まっています。
ReviCo:一般のECサイトの平均ですと投稿率は1%も満たないため、比較するとかなり高い数値ですね。
東京シャツ様のレビュー導入前後の投稿数の遷移
加藤氏:1日約50件、仕事始めと終わりに約10分ずつ、私一人で承認作業を行っています。
内容はすべて確認した上でサイトに公開しておりますが、ReviCoの管理画面で簡単にレビューの承認作業ができるため、あまり運用負荷はかかっておりません。
また、ReviCoにはレビュー表示のテンプレートがいくつかあるため、承認さえすれば、サイト上でわかりやすくレビューを掲載できる点も運用が楽だと感じています。
加藤氏:商品詳細ページでレビューを閲覧したユーザーと閲覧していないユーザーを比較すると、レビューを閲覧したユーザーの方が購入率が約1.6倍高くなっています。
また、直帰率やセッション時間にも良い影響が出ており、サイトの回遊性向上にも繋がっています。
ECサイトのレビュー投稿画面では、身長・体型・体重・普段の着用サイズを選ぶ項目を用意しています。
先ほど申し上げた通り、メインターゲットである40~50代のお客様は体型の変化から、サイズや着用感によりリアルな情報を求めていると感じているため、他のお客様のレビューが安心感のある購入体験に繋がっていると考えています。
東京シャツ様のユーザーレビュー投稿画面と実際に投稿されたお客様のレビュー
加藤氏:自社工場で作るワイシャツは、あえて胸ポケットを外したデザインにしているのですが、これは着用した際にスッキリとカッコよく見えるということが訴求ポイントでした。
しかし、実際にお客様のレビューを見ると、ポケットなしに賛同するご意見と「ポケットがないのが不便だ」という否定のご意見が半々の割合でした。
当社は、専門店ならではのデザインやシルエットへのこだわりが他社とは異なる強みですが、お客様から頂いたレビューから、当社の強みの部分がまだサイト上で伝わっていないのだと気づかされました。
実際にお客様の声がサイトのデザインやページ構成を改善するきっかけにもなっています。
加藤氏:コロナ禍による実店舗の営業規制が緩和されてからも、コロナ禍前に比べ来店者数がすぐには増えなかったため、店舗スタッフの空き時間が多くなっていました。
そのような中で、店舗スタッフにレビューを投稿してもらうことでECと店舗の壁をなくし、店舗スタッフにもECサイトの売上に貢献しているという意識をもってもらうために、全社的な売上強化の一環としてスタッフレビューの活用強化を決めました。
各店舗に週に1回以上は投稿を依頼しており、月約50件ほどのレビューを投稿してくれる店舗もあります。
当社は120店舗ありますので、週1~2回投稿するだけで、月1000件近く集まるためスケールメリットを活かせています。
現在、全店舗にタブレットを導入しており、店頭POPや商品の下げ札のQRコードを読み込むと商品ページを見ることができるため、スタッフレビューを活用した接客ができる環境も整っています。
地方でしか働くことができない優秀なスタッフもいるため、スタッフレビューはそういう方々にもどんどん活用して頂きたいと考えています。
東京シャツ様のスタッフレビュー投稿画面と実際に投稿された店舗スタッフのレビュー
加藤氏:現状はできておりませんが、店舗はお客様に売るだけが全てではないため、レビューの投稿数やスタイリング画像の投稿、レビュー経由の売上も評価の対象にしようと会社として取り組んでいきたいと思っています。
加藤氏:サイト全体の購入率に比べ、スタッフレビューを閲覧したユーザーの購入率は約1.4倍高くなっています。
また、実店舗では、男性スタッフのみ・女性スタッフのみの店舗もあり、異性のお客様を接客する際には、タブレットを用いて他店のスタッフのレビューを見せることで、店舗の接客力強化にもつながっています。
ECサイトとしてもコンテンツが増えることが、滞在時間のアップに繋がっているため、自店・他店・ECの三方良しの好循環が生まれています。
加藤氏:レビューを参考に購入のきっかけを作れるよう、まずはユーザーレビュー・スタッフビューの一覧ページを設け、サイトの各所に一覧ページへのポップアップバナー等を表示することで、導線を強化しています。
レビュー一覧ページ内では、商品がより探しやすくなるように自動タグ表示や絞り込み項目を設置しました。
また、商品詳細ページでは、レビューランキングの掲載やお客様の評価をチャート形式で表示するなど、わかりやすさを追求して、日々アップデートを行っています。
初回購入者に対して、ECサイトでの購入のハードルを下げるために、まずはユーザーレビューを見てもらうということを意識して取り組んでいます。
店舗では、お客様が悩んでいる際に接客で購入の後押しができますが、ECではそれができません。
ユーザーレビューやスタッフレビューは、サイト上で悩んでいるお客様の背中を押し、購入をアシストする役割を果たしていると感じています。
星1つ・星2つの低評価のレビューは、商品企画やカスタマーサポートなど他部署の担当者にも共有して、商品開発やサービス改善に取り組むきっかけにもなっています。
導線強化の一例
自動タグ生成機能/レビューの絞り込み検索
加藤氏:レビューはお客様の生の声であり、時には思いがけない言葉が隠されていることがあります。
良いと思って実施した施策が裏目に出たこともあり、特に商品の品揃えの点で参考になるお声が多いため、今後もレビューをもとに施策を検討していくべきだと思っています。
お客様が共感できるコンテンツとして、より購入率が上がるレビュー活用を突き詰めながら安心して購入できる環境を整えていきたいです。
店舗とECのどちらか一方を利用するお客様よりも、店舗とECの両方を利用するお客様のほうが圧倒的にLTVが高いため、当社では、1回目は店舗でサイズをしっかり採寸し購入、2回目はサイズを知っているためECサイトで利便性を知ってもらい購入、3回目はお客様の好きなタイミングで店舗・ECどちらかを利用してもらうといった、双方会員を増やすことを目標に掲げています。
そのためには、店舗とECの垣根を無くし、同じサービスを提供する事が大切だと考えています。
ReviCoを活用することで、店舗・ECどちらの販売チャネルにもメリットのあるコンテンツとなりますので、レビュー施策は今後も重要な全社施策として取り組んでいきます。
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東京シャツ株式会社
加藤 翔太氏
東京シャツ公式通販
●取材・文:中尾 朱里