島氏:AKOMEYA TOKYOは『一杯の炊きたてのご飯を中心に広がる美味しい輪』をコンセプトにしており、全国から厳選されたお米と、お米に相性があるご飯のお供やお出汁などの食品、また、その食品を美味しいご飯にするための周辺の調理器具や食器などをお客様にお届けしています。
現在、EC比率は約10%で公式オンラインショップと楽天市場店を運営しています。
2023年度の店舗数は約10店舗増え、現在22店舗を展開しています。
ReviCo:『AKOMEYA TOKYO』のお名前もお米と関係があるのでしょうか?
島氏:「A KOMEYA」="1軒の米屋"という意味と、「~がない」や「非~」という否定を意味する英語の接頭辞「a」をつけた「akomeya」="米屋でない"という二つの意味があります。
米屋だけにとどまらず、米屋を主軸に生産者の方の想いをお客様に伝えていきたいという想いが込められています。
島氏:私は、OMOプロジェクトというプロジェクトに携わりながら、自社ECと楽天市場店の運営全般を行なっています。
店舗をご利用いただくお客様の会員化、ECとの連動に中期的に取り組んでいくため、プロジェクトが立ち上がりました。
AKOMEYA TOKYOは今10年目で来期11年目に入りますが、未だに店舗とオンラインの共通の管理システムがなく、実際に店舗に来店されるお客様の購買データを取得できておりません。
今後は会員システムを構築し、お客様のシームレスな購入体験や効果的な施策、アプローチを図っていけるよう、まずはOMOを推進する基盤を作るため社内の調整に取り組んでいます。
島氏:CVRを上げるためのコンテンツとして、UGCをサイトへ掲載しています。
インスタグラムの投稿はビジュアルの補填にはなるのですが、商品の画像からは伝わりづらい味や美味しさ、使い勝手、用途などに対してのフィードバックになるコメントがあまり掲載されておらず、映える商品の投稿に偏ってしまっていたため、画像以外の手段を探していました。
また、弊社の商材はロングテールで販売する商品が多く、シーズンごとに販売商品が入れ替わるビジネスモデルではないため、収集したレビューがどんどん蓄積されていくところが、弊社のビジネスモデルにマッチするのではないかと考え、レビューツールの導入を検討しました。
UGC一覧ページ/レビュー一覧ページ
島氏:レビューツールを導入することで、私たちだけでは表現しきれない味や、美味しさなどをコンテンツとして拡充してきたい、購入に繋げていきたいと考えていました。
ReviCoについては、レビューを公開する前にしっかりと内容を確認できる承認機能がある点がよかったです。
弊社が出店している楽天市場店では、弊社側の意図とは関係ないところに関して低評価のレビューがそのまま公開されてしまっていたことがあったため、そのようなことは自社ECでは回避したいと考えていました。
また、ReviCoは導入費用もランニング費用も安価ですし、ReviCo主導のインセンティブキャンペーンを恒常的に実施しているのが非常に良いと思っていました。
以前、私がAKOMEYA TOKYOに参画する前に、カートシステムにあるレビュー機能を利用していたようなのですが、弊社はポイント施策を行っておらず、インセンティブを付与する事も出来なかったため、当時はお客様からのレビューがなかなか収集できなかったようです。
そのためReviCoのプレゼントキャンペーンが導入の決め手でした。
島氏:楽天市場店のレビューでは厳しい評価をされることもあったため、自社ECについても同様かと懸念していたのですが、自社ECのお客様からのレビューのレートは星平均4.5点と高く、自社ECは想定していたよりもAKOMEYA TOKYOのファン層の利用が多いのだと改めて感じました。
また、コメントにおいても楽天市場店と比較すると自社ECのレビューは熱量の高いコメントが多いと感じます。
島氏:贈り物で利用したというレビューが多く、贈ったご本人が「自分用にも後日買いました」と投稿してくださっていたり、逆に「もらって美味しかったから自分で買いました」といった投稿がありました。
他にも「おいしくて何度もリピートしていて、今日は30個まとめて買いました」「ストックがなくなったらまた買います」「内祝いですごく喜ばれて、今第2子を妊娠中なのですが、絶対また内祝いで使います。」などの嬉しいコメントを頂いています。
実際に投稿されたレビュー
このような熱量が高いレビューをいただく際には、我々から返信コメントをすることもあります。
少し悪い評価を頂いた際には、サイトに掲載するか迷うこともありますが、きっちり対応をしている姿勢を見せたいという想いもあり、掲載した上で今後の対応について返信コメントで案内しています。
実際に投稿されたレビューと店舗からの回答
島氏:食品だと「こんな料理に使いました」というコメントや、画像も添えてレビューを書いてくださる方もいて、そんな使い方もあったんだ!といった発見があります。
我々が商品についてコメントしても「商品を良くいうのは当たり前」と思われてしまいますが、お客様のレビューによって、お客様からちゃんと評価されている商品であるということが表現されていると思います。
実際に投稿されたレビュー
また、商品やサービスに対して不満や不良があったとしても、お問い合わせをされないお客様もいらっしゃいます。
レビューを収集し始めたことによって、お問い合わせはせずにレビューにだけ不満を投稿するお客様が稀にいらっしゃるということがわかりました。
レビュー承認時に、そういった低評価のレビューを見つけた際は、CSへ連携し商品の交換やお詫びのクーポンを差し上げるといったフォローの対応を打つことができるようになりました。
実際に、レビューの内容からCSでアプローチをしたお客様で交換を希望された方や、対応後に低評価のレビューを取り下げてくださった方もいらっしゃいました。
問い合わせはなくともこちらからアプローチすることによって、対応がしっかりしているサイトだという信頼を得て、それがきっかけにファンになって頂けるケースもあると思うので、レビューによって離反顧客の対策になっていると感じています。
島氏:味や用途などの情報や画像など、キャプションだけでは伝えることが難しい表現は、レビューによってしっかり補填できているなと思っています。
売上シェアがあまり高くない商品にもレビューが集まってきているため、UGCに比べ幅広く商品をカバーできていると思っています。
実際に投稿されたレビュー
また、レビューが売上の底上げに繋がっていると感じています。
「お客様からこのような良いレビューをいただいています」という形で、主力商品のキャプションの中にピックアップしたレビューを掲載したり、メルマガにも活用したりすることによって、レビューだけの効果か測れない部分もありますが、もともと売れている商品がさらに売れている印象があります。
メルマガについては、AKOMEYA TOKYOの売れ筋トップ10を紹介する際にその商品に投稿されているお客様のレビューを載せるような形で活用しています。
商品詳細ページ/メールマガジン
定量的な効果としては、レビュー経由の CVRが高い点があります。
サイト全体のCVRと比較するとレビューを閲覧した際のCVRは4倍と非常に高く、効果を実感しています。
レビューの収集については、最初はレビューが集まるか心配だったため、ReviCoが実施しているプレゼントキャンペーン以外に、弊社でも月に1回「抽選で3名様に3000円のクーポンプレゼント」といった施策を実施していました。
結果として現在投稿率は7%で、しっかりと集まっているという実感があります。
先日ReviCoでクーポン付きのサンクスメールを配信できる機能リリースされたため、現在はそれを利用しています。
他には、業務負担があまりかからず運用でき、コンテンツの拡充ができているところに非常に効果を感じています。
ReviCo導入前は「レビューを書いてください」というプッシュすらも、お客様の注文データを用意し、メルマガを作成、配信する必要がありましたが、ReviCo導入後は自動でレビュー依頼メールが配信できるため、集まったレビューを承認するだけで済みます。
毎日出社後に朝の数分だけReviCoの管理画面からレビューを承認しており、ルーティン化できているところが非常に良いと思っています。
ReviCoの管理画面では、レビューの承認時にラベルを付与して管理できるため、ご意見やご要望等が書かれたレビューは食品と雑貨に分けて商品部にフィードバックしています。
レビュー承認の管理画面(サンプルレビュー)
島氏:EC運営の担当スタッフが少ない中で、レビューが販売スタッフの代わりに接客してくれていると感じています。
レビューがオンライン上の販売員さんのような役割を担ってくれていると思っています。
島氏:スタッフレビューを活用してレシピを投稿したり、贈り物ページにギフト利用のレビューを掲載したり、高評価レビューのアイテムを集めて特集ページを作成したりして訴求を行っています。
せっかく収集したレビューを商品ページの掲載だけにとどめておくのはもったいないですし、レビューは弊社の財産みたいなものだと感じているため、様々な施策に活用したいと思っています。
高評価レビューを集めた特集ページに関しては、自社EC独自の打ち出し商品や、全社の取り組みのなかで打ち出し切れていない商品を訴求していくためにコンテンツを増やす必要があったため、レビューを活用してみることにしました。
弊社の場合、食品が売れ筋であるため、売上ランキングでは埋もれがちな雑貨系の商品も露出ができるようになりました。
また、作成した高評価レビューの特集ページはランディングページにして広告配信にも活用しています。
レビュー高評価アイテム特集ページ
弊社では、「用途:ギフト/自宅用」という評価項目を設定しレビュー収集をしており、「用途:ギフト」と回答したレビューのみを現在贈り物ページに掲載しています。
ギフト用途のレビューの中には、数少ないラインナップである高単価のギフトセットについて「このようなギフトを探していました」というコメントがあり、高価格帯も需要があるんだ!という気づきがありました。
そういったお客様の声を商品のラインナップに反映しています。
贈り物ページ
レシピに関しては、専用のレシピページを設けているのですが、商品ページからレシピページへの導線がなく、一方通行になってしまっていました。
スタッフレビューを活用したことで商品ページにもレシピを掲載できるようになり、商品ページを見ている方に対してもその商品を使ったレシピの提案ができるようになりました。
スタッフレビュー(レシピ投稿)
島氏:今後は会員化を進めて顧客の購買傾向やオンラインとのクロスユース率などを分析し、CRMの施策にのせて店舗もECも一緒に成長していきたいと思っています。
レビューについては、レビューで頻出するキーワードをハッシュタグ化し、そのキーワードが掲載されている商品の一覧ページを見ることで回遊ができたり、頻出しているキーワードの分析がReviCo上でできるようになったらいいなと思います。レビューランキングも実施してみたいです。
島氏:ReviCoはやはりレビュー投稿のプレゼントキャンペーンを恒常的に実施しているため、自社で特別なキャンペーンを打たなくても、自社だけでレビューを収集するより格段に収集率がアップするため、「いざ導入してレビューが集まらなかったらどうしよう」と懸念していらっしゃるブランドさんやEC事業者さんにも非常におすすめです。
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株式会社AKOMEYA TOKYO
島 あゆみ氏
AKOMEYA TOKYO公式オンラインショップ
●取材・文:中尾 朱里